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第4部 民業復権の論理(2)

 投稿者:斉藤真一  投稿日:2001年 1月 2日(火)00時27分15秒
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   公務員の「税金」についても国民的錯覚を正しておこう。

 公務員給与の所得税・住民税は民業者給与の所得税・住民税と同じ性質のものだろうか?実は全然違う性質のもの、というより正確には「税金」ではない。民業者の所得税・住民税は国民所得に根拠を持つ「実税」だが、公務員の所得税・住民税は国民所得に根拠を持たない「虚税」である。民業が支給する公務員給与に、政府が勝手に別額を上乗せして「所得税・住民税」のレッテルを貼って天引きしているだけだ。これは「公務員も国民の一人としてきちんと税金を払っています」という体面を取り繕うためのプロパガンダなのだ。

 もともと税金というものは「稼ぐ者」から徴収するものであり、「稼がない者」からは徴収しない。それゆえ「税金から給与を支給される者」には「納税義務」を課さないのがあたりまえだ。公務に従事して国民に奉仕している公務員に対して「納税しろ」と要求するのは矛盾である。あるいは逆に「納税権」を認めないという考え方もあっていいだろう。「税金で食べさせてもらっている者が一人前の顔をして納税するとは何事だ。納税する余裕があるならその分返せ」というわけだ。(間接税は別問題)。

 これに対して、憲法30条が国民に等しく納税の義務を課しているところから、公務員にも納税義務があると主張することもできよう。だが、憲法はあくまで基本理念を規定しているのであって、具体的な施策は個々の法律に委ねており、その法律はさまざまな例外を設けているので、論拠にならない。「税金から給与を支給される者」の納税義務を正当化する法理念も今のところ確立されていない。

 ちなみに「納税する余裕があるならその分返せ」という金額をざっと見ておこう。公務員560万人×平均年収450万円×税率12%=約3兆円となる。民業が支給する公務員給与に、政府はこれほど巨額を勝手に上乗せして「所得税・住民税」のレッテルを貼って天引きしているのだ。これは明らかに過払いなので民業に返還するべき性質のものである。つまり、毎年これだけ巨額の恒久減税要素があるという事実をしっかり認識しておく必要がある。

 民業者は漁師のようなものだ。その仕事は魚を捕って来てみんなに食べさせることであり、その仕事場は自由経済市場という名の荒海である。彼はいつも危険を背負い、身体をはって魚を捕る。ある時は浮き、ある時は沈み、魚が捕れない日々が続くと、たちまち貧乏のどん底に沈む。それが自由経済市場の掟(おきて)である。この掟を良しとして民業者は今日も船を漕ぎ出すのだ。

 一方、公務員はというと、公務員給与法と人事院勧告だけが食べていく唯一の根拠。法律によって「生活保護」を受けているのだ。それでどんな仕事をしてきたかというと、「国民のため」と称して毎年莫大な金を集めては使い、また集めては使いして民業を侵略し、途方もない巨額負債を後世に転化し続けてきた。この間、国会議員、歴代首相、大臣、次官、局長、次長、課長以下国家公務員から、地方議員、都道府県知事、市区町村長以下地方公務員に至るまで、すべての公務員は誰一人困ることなく結構な給与と退職金をありがたく頂戴して、次から次へと職務を交代してきた。

 6年前の阪神大震災で露呈した民業者と公務員の悲惨なギャップを忘れてはならない。会社、工場、事業所、商店が軒並みつぶれて、民業者とその家族は突然明日からの収入がなくなったばかりか、働き口さえ失ってしまった。ところが、同じ被災地の公務員の銀行口座には、まるで何事もなかったかのように毎月の給与が振り込まれ、盆暮れにはたっぷりボーナスも出たのである。その原資は、昨日まで健在だった民業者たちが拠出した税金だったのだ。

 政府は今や民業の「お荷物」である。民業は公務員を太らせるために税金を納める義理はない。仮に政府の財政規模を半分に減らしたところで、その分、資金が民業にシフトするだけの話。国民経済規模としては同じことで、なんの支障もない。財政規模を減らすことは、税金と借金を減らすということである。政府が使う金が減って国民が使う金が増えるということである。
 

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